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FASHION SEP 30,2022

令和エモグラシー
第七回 新田 桃子 〜トーキョー・パラレル・ワールド〜

アーバンリサーチ25周年特別企画として始まった『令和エモグラシー』。ReSEARCH(再:探求)というテーマに基づき、毎回一人の女優にフィーチャーしオムニバス形式のショートムービーとインタビュー記事を公開。第七回目は「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」で本格的なテレビドラマデビューを果たした新田桃子さん。小さい頃から『VOGUE』を見せられ、エミネムを聴いて育ったという彼女の強い眼差しは、繁華街の人だかりに立たせるとより際立つ。韓国語と英語を流暢に操り、落語と洋館が趣味だと笑う底知れないポテンシャルは、シャッターを押す指と僕の心を弾ませた。


> フルバージョンは25周年特設サイトにて公開中

『トーキョー・パラレル・ワールド』

Interview with Momoko Arata

— 今回撮影した新大久保は、新田さんもよく行く場所だと聞きました。いかがだったでしょうか?

新田: 普段プライベートで行くのと、お仕事で行くのは視点が変わるというか、見る景色が違くて面白かったです。

— なぜ新大久保によく行くようになったのでしょうか?

新田: 中学生のときにビッグバンを聴いて「同じアジア人でこんなに世界と戦える曲を出しているグループがあるんだ」と驚いて、とにかく衝撃を受けたんです。それで、好きなものを知るにはまずその国を知ることから始めようと思い、韓国語と歴史を勉強したらすごく近くなった気がして。それから新大久保にもよく足を運ぶようになった感じです。実は新大久保の飲食店でバイトしたこともあるんですよ(笑)。

— えーすごい(笑) だからあんなに流暢なんですね、本当にびっくりしました。でもバイトするだけではあんなに話せないですよね?

新田: バイトを始めて一ヶ月くらいで、お客さんとして来ていた韓国の女の子が働いている私を見て「この子と絶対友達になりたい」と思ってくれたみたいで同じ店にバイトの応募をしてくれたんです。そこから一緒に働くようになって頻繁にご飯も行くようになって、そんなことを続けてたらいつのまにか喋れるようになった、という感じですね。今では夢を韓国語で見ることが結構あります。

— 語学はもともと興味があったのですか?

新田: 母がよく「水泳と英語ができれば世界のどこでも生きていける」と言う人で、私も例外なく小さい頃から水泳と英語を学んでいたので、もともと好きではありました。英語も好きなんですが、最近の悩みは韓国語を脳に入れたことでところてんのように英語が少し抜けてきたことですね(笑) だから英語もまた勉強したいなと思っています。

— 少し洋服の話を伺いたいと思います。今回着ていただいた2パターンのスタイリング、いかがでしたか?

新田: 本当にどれも可愛かったんですが、一番のお気に入りは黄色いカーディガンです。色がすごくタイプですね。あとは中に着たブラウスも可愛いし、デニムもスタイル良く見えるシルエットだし、全部好きです。

— 嬉しいです。僕は新田さんにお会いする前に勝手に「パンク」なイメージを持っていて、それで最初にピンクのモヘヤニットを着ていただいたんです。そちらはどうでしたか?

新田: パンク(笑) 間違ってはいないと思います。ピンクモヘヤのコーディネートは結構攻めてる感じがして好きでしたね。トップスとスカートの色味が違うのに全体で見るとまとまっていて、こうやって着ればいいのか、とすごく勉強になりました。

— 新田さんがすごくいろいろな年代のカルチャーに詳しくてびっくりしたのですが、誰かの影響でしょうか?

新田: それも母の影響が大きいかもしれません。私の母は小さいころから絵本じゃなくて『VOGUE』を私に読ませていたんです。アートのようなファッション写真に魅せられてずっと大人になったら「パリコレモデル」になるって確信していました(笑) あと結構驚かれるのは家でずっとエミネムを聴かされていたり、そんな環境で育ちました。だから私ではなくて母が一番パンクなのかもしれません(笑)。

— 確かに(笑) でもその反面、古風な趣味もありますよね?

新田: はい、落語と洋館はどっぷり浸かりました(笑)。

— それもお母様の影響なんですか?

新田: そうですね。私も結構すんなり受け入れるタイプで、母が面白いから行こうって言うと「じゃあ行ってみようかな」って思ってしまうんです。それでどんどんハマってしまう、というケースが多かったですね。兄達は全然ハマらなかったみたいですけど(笑)。

— 普段の私服において、コーディネートを決めるポイントなどはありますか?

新田: 私は一日一日イメージの違う服を着たくて、例えば今日はこの人のイメージ、とか、この映画のイメージとかその日の感性でコーディネートを決めたいタイプです。今は作品中なのでなかなかヘアチェンジはできないですけど、ヘアメイクを変えたりするのも好きですね。前日見た映画を引きずってそのヒロインの役になりきったり(笑) セルフプロデュースが好きなんです昔から。

— じゃあ女優というお仕事は天職ですね。

新田: はい。いただいた役のイメージを衣装さんとヘアメイクさんの力をお借りして肉付けしていく作業がすごく楽しいです。小さいころから自分がやってきた作業と似ているので。

— 今までファッションにおいて影響を受けた人はいますか?

新田: 私の場合は誰かというよりは映画とか音楽ですね。昔はゴスロリみたいな格好のときもありました。ビッグバンに出会ってからはヒップホップなスタイルに傾倒しましたが。小さいころから服を自分で選ぶ子で、それに合わせて髪を巻いたりおだんごにしたりしていましたね。

— 現在ファッションの参考にしている人はいますか?

新田: ヘイリー・ビーバーとかケンダル・ジェンナー、カイア・ガーバーはすごく参考にしています。流行も好きなんですけど、昔のクラシックなファッションも好きで、その辺をうまく混ぜて着こなすのが私の理想です。

— インスタを拝見すると、すごくカジュアルな日もあればタイトなスカートで決めている日もあって面白いなと思っていたんです。そこから今回のタイトル「トーキョー・パラレル・ワールド」が出てきて。

新田: そうだったんですね。でも文章を読んだときに率直に「素敵!」と思いました。特に最後の一文「考えろ、感じろ」は私が普段から大事にしている部分でもあったので感情移入もしやすかったです。

— この企画は『令和エモグラシー』という名前なのですが、新田さんにとって「エモい」とはどういう定義でしょうか?

新田: 「沁みる」ですかね。「ムーブメント」とかもそうですかね。

— 新田さんは感情のコントロールは上手ですか?

新田: 得意ではないです。波はすごくありますね。作品や曲に影響されるタイプなので、気分を上げたいときはそういう曲を聴いたりしてうまく自分の感情と付き合ってます。

— 新田さんは壁がなくて人付き合いが上手なイメージがあるのですが、それも昔からですか?

新田: いえ、つい最近まですごく人見知りでした。それが変わるきっかけがテレビ朝日系で放送中の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のオーディションのときです。「今日の洋服のイメージはなんですか?」って聞かれて、その日私は戦隊ヒーローのスーツアクターさんが中に着ているボディスーツをイメージしてタイトなタートルニットを着ていたので、それをそのまま答えたらすごく気に入ってくださって。そのときに「あ、素の自分を出していいんだ」と思ったら心がラクになって、本当にそこから人見知りがなくなったんですよね。

— えーすごい。その人見知りがなおるきっかけとなったオーディションの作品に受かるってすごいことですね。

新田: 本当に嬉しかったです。

— 役作りに関してですが、今回の作品では一人三役を演じてらっしゃるそうですね。大変じゃないですか?

新田: そうですね。でも割と自然とお芝居する相手が変わったり台詞が変わったりすると気持ちは切り替えられる感じですね。さすがに一日の中で何回も役が変わると大変ですけど(笑)。

— 女優さんというお仕事には映画、ドラマ、舞台とさまざまなフィールドがありますが、どの分野でやっていきたいなどありますか?

新田: どの分野というよりは素敵な監督さん、演出家さんに出会ってその人、その作品の色に染めてもらいたいという欲がありますね。子役時代に主演の舞台をやらせてもらったときがあって、稽古も含めた2ヶ月くらいがすごく楽しかった思い出しかなくて。今回の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』もすごく長いスパンなので、その中で共演者のかたやスタッフさんたちとじっくり役に染まっていく感覚が本当に好きですし、この仕事の醍醐味だと思います。将来的には朝ドラや大河ドラマにも出てみたいです。

— 新田さんの声も僕は好きで、個人的には声のお仕事をしてほしいなと思っています。

新田: 本当ですか、嬉しいです。『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』でも視聴者の方に「声が好き」と言っていただけることがあって、私の中でも自信が出たというか、いつか声のお仕事もしてみたいなとは思っています。

— アーバンリサーチは今年で25周年、「再:探求」をテーマに掲げているのですが、新田さんが再探求したいことなどはありますか?

新田: サンタモニカに留学したときに、違う人種、違う宗教の人たちと接しているときがすごく楽しくて、またそういうさまざまなカルチャーが混ざった国に行ってみたいなという気持ちがあります。サウジアラビアの友達が二人いて、ちょうどラマダン(断食)の時期だったんですけど、一人は真面目に断食をしていて、でももう一人は「いいじゃんここはアメリカなんだし誰も見てないよ」とか言って友達をそそのかしたりして(笑) 日本にいるとそういう文化自体も新鮮ですけど、それを破る若者がいるなんてことわからないじゃないですか。そういう知らない文化を知ることが私は好きなんですよね。あとは外から日本を見られることも好きです。いつも海外に行くと「日本人でよかったな」と思えるし、本当に素晴らしい国だなと改めて実感できる。いろいろ落ち着いたらそれをまた探求しに行きたいですね。

— 素晴らしいです・・・。最後にファンの皆さんに一言お願いします。

新田: 私のインスタのフォロワーの中には海外の方も結構いて、ドラマに出ることでこんなにも自分を知ってもらえるんだと正直驚いています。でも素直にいろいろな人に自分を知ってもらうことは嬉しいですし、私自身ももっと頑張って自分の好きなところ、モノをSNSで発信できたらと思っています。これからもよろしくお願いします!

Profile

新田 桃子(あらたももこ)
1996年6月7日生まれ。
テレビ朝日系にて毎週日曜午前9:30より放送中の「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」に雉野みほ/夏美 役で出演中。
10月9日(日)よる11時55分から放送の『あざとくて何が悪いの?』内で放送される「あざと連ドラ第6弾」に出演決定。
趣味は落語・洋館・現代アート。特技は水泳・韓国語・英語。
好きな食べ物は数の子。

Instagram @ momottiiii
Twitter @ momoko_arata

Tops: URBAN RESEARCH ¥12,100 (税込)
Knit: ROUTINE for URBAN RESEARCH ¥31,900 (税込) ※一部店舗限定
Pants: URBAN RESEARCH ¥13,200 (税込) ※10月発売予定
Accessory: LAPUIS ¥6,600 (税込)
Shoes: CAMINANDO ¥28,600 (税込)

企画・構成・衣装・写真・文/杉浦 優

令和エモグラシー ARCHIVES

第一回 片山 友希 〜此処東京故郷〜
第二回 中田 青渚 〜再探究ゆうとぴあ〜
第三回 森田 想 〜五月の蝿にエメラルド〜
第四回 森 日菜美 〜今日も今日とて選択日和〜
第五回 林 芽亜里 〜流れ行け、私。〜
第六回 花柳 のぞみ 〜八月の幻想花火〜

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